工業塗装について

塗装と言うと皆様は、建築塗装や刷毛塗りイメージを持っている方がほとんどかと思います。実はその他に木工塗装、金属塗装、噴霧塗装などさまざまな分野と種類がありますが、工業塗装では家電製品、自動車部品、携帯電話などをはじめとする通信機器、OA機器、金属製品やプラスチック製品の塗装を行っています。

工業塗装は単に製品に色をつけるだけでなく、製品表面を腐食・劣化から保護したり、製品の色彩や光沢、感触、模様などデザイン的にも製品の価値を高める役割を果たしています。

国の基幹産業として工業塗装技術は、高度な専門技術として生活のあらゆる分野で欠かせないものとなっています。

塗装(フィニッシュコート)の役割

製造の最終工程(フィニッシュ)でほどこされる塗料による表面処理(コーティング)の総称です

彩る

言うまでもなく最も大きな目的それはカラーリングにあります。色を暮らしに取り入れることは、私たちの喜びのひとつと言えます。

創る

豊かで快適な暮らしを創造します。
「潤滑」様々なところで、摩耗を抑えて長年の使用に耐えられる潤滑塗装
「示温」特定の温度で変色する示温塗装

感じる

感触や使い心地にも新しい技術で応えます。
「感性」布のような質感を持つ「スエード塗装」ビデオカメラやボールペンのグリップ部分に滑り止めの効果を持つ塗装

楽しむ

音楽、スポーツ、娯楽にと塗装技術は意外なところで活躍しています。
「磁性」 電車の切符の裏側は黒く磁性塗料が塗られてデータを読み取ります。スイカや銀行のキャッシユカードなど、高いデータ記録性能を生かした使用例は、限りありません。

防 ぐ

暮らしを脅かす悪玉から、私たちの生活を防衛しているのです。
「高  硬  度」
メガネレンズでお馴染みの、キズを防ぐ目的のUV塗装。
「自己洗浄」
電子レンジ等の調理器具内壁に付着した油脂分の浄化を目的とした塗装
「ストリッパブル」
主として製品の輸送、貯蔵、組み立て時の表面保護のための塗装
「貼り紙防止」
糊の付着を妨げ、自然剥離を助けるものです。街灯のポール、電柱、公衆電話ボックス等に使用されています。
「防     火」
可燃性物質にあらかじめ塗装することで、火災時に有毒ガスの発生を抑えて、同時に火災の進展を妨げる効果を持つ。
「滑り止め」
道路面の摩耗や劣化、雨、油、砂等によるスリップ事故やプールサイドでは水の薄膜による転倒等の防止、建物の床では、静電気で付着した 微粒子による転倒事故の防止のための特殊塗装
「耐      熱」
高温で使用する暖房機、フライパン等の、調理器の鋼板の酸化防止焦げ付き防止を目的としてほどこされます。シリコン樹脂やフッ素樹脂の塗装が代表的なものです。
「破ビン防止」
飲料容器など、ガラスびんは破損事故防止のために、製造直後に、保護塗装が行われています。

絶つ

身の周りの迷惑な「敵」を遮断します。
「電磁シールド」私達が暮らす空間には、自然界にあるものから多様なハイテク機器の普及による様々な電磁気的汚染は深刻な広がりを見せています。それら相互の影響から、テレビやパソコンを護ってくれるのが,機器のケースの内側にほどこされた電磁波シールド塗装です。

護る

鉄は錆びるし、木は朽ちる、プラスティックは傷がつく。
強い膜でコーティングすれば寿命を延ばす事ができます。これは、資源の浪費を抑える有効な手だてです。21世紀の今、消費が見直され、新しい価値創造の時代に変わりました。次の世代に手渡すこの地球を見据え、私達も姿を変えています。

耐える

フィニッシュコートはネバーギブアップ
耐水・耐紫外線・耐オゾン・耐熱・耐油・耐衝撃・耐火・耐寒・耐破壊・耐傷・耐劣化・耐候・耐湿・耐汚・耐食・耐溶剤・耐塩水・耐薬品・耐アルカリ・耐低温折曲性・耐チッピング・耐摩耗性

その他にも社会の便利や安全のために、多くの特殊塗料が開発されています。

CDプレーヤーのヘッドを保護する「半導体用塗料」
難敵、静電気をシャットアウト「帯電防止塗料」
ロケットや人工衛星も塗装される「二次電子放出塗料」
地震対策でも注目される「光」の備え「蓄光塗料」
すいすい軽いアイロンはお母さんの味方「非粘着塗料」
便利!トレーにのせたガラス器が滑らない「粘着塗料」
これがコピー機の原理です「光電導塗料」
非破壊検査の主役「光弾性塗料」
紫外線から塗料の性能を守る「紫外線遮断塗料」